「ナナカラのキャリア教育を創立当初から8年間担当されている、尾崎えり子さんにインタビュー」

ナナカラのキャリア教育を設立当初から8年間担当されている尾崎えり子さん。現在ご自身の会社を経営しながら奈良県生駒市の教育改革担当として働かれています。尾崎さんが生駒市の小中学校の先生たちと取り組んだプロジェクトが11月に「ICT教育アワード経済産業大臣賞」を、そして12月に「キャリア教育連携推進表彰 優秀賞(文科省と経産省主催)」を受賞しました。 そんな尾崎さんにキャリア教育について今回インタビューをしました。

Q 今回は受賞おめでとうございます!尾崎さんがキャリア教育をし始めたのはいつからですか?

尾崎

「学校に行って講演するのは10年前くらいからやっていましたが、実践型のキャリア教育のスタートはナナカラでした。8年前、ナナカラの子たちと一緒に会社を立ち上げ、10万円の融資を受けて、どうやって利益を出すか考え、畑を借り、野菜を売り、レストランにして、広告営業をしました。」

Q その中で印象に残っている出来事はありますか?

尾崎

「一年間で出た5万円の利益を何に使うかを話し合っていたミーティングでの出来事です。初めは利益を半分に分けて男の子はレゴを、女の子はおままごとセットを購入する流れで話し合っていました。しかし、最後には1万円をレゴ、1万円をおままごとセット、1万円をシリア難民の子どもたちへの寄付、1万円を東日本大震災の被災地の子どもたちへの寄付、1万円を教育を受けられない世界の女の子たちへの寄付、という決断をしました。「なぜ、その決断をしたの?」と聞いたら「幸せは分けた方が増えるし、豊かになる」って子どもたちが言ったんです。
感動しました。一年間お金の増やし方や仕事とは何かを伝えていましたが、子どもたちなりに真剣に考えて、自分たちで決めることができたんだな、と。

Q 尾崎さんと第一期生が立ち上げたナナカラ会社は後輩たちに受け継がれ、今もずっと継続して受け継がれていまよね。

尾崎

はい。毎年、社長や副社長の立候補も増えているのは先輩たちに憧れているんだと思います。社長になった子が「ナナカラ会社でリーダーになることや新しいものをつくることの面白さを知った」と中学生になって再会した際に言ってくれて、とても嬉しかったです。

Q 他にも何か取り組みはされましたか?

尾崎

ナナカラ会社は会社をつくる体験でしたが、先生になって教える喜びを知る体験「子ども先生」の取り組みを2019年から始めました。

ナナカラの子どもたちが自分の得意なことを先生として伝える経験を通して「伝える相手のことを考え、伝え方を工夫し、目の前で生徒が楽しみ、感謝される喜び」を知ってもらいたかったんです。

学びのモチベーションって誰かの「ありがとう」とか「すごい」って感謝されたり認めてもらうことだと思っています。 自分の知識を伝えることは誰かの役に立つんだ!という貢献する気持ちを大切にしています

Q これからナナカラでどんなことをしていきたいですか?

尾崎

私にとってナナカラは日本で初めての実践にチャレンジする場です。
これからもナナカラ生と一緒に面白いものを作っていきたいと考えています。
来年度は【ナナカラ研究所】という新たな取り組みを始める予定です。
子どもの興味を惹き、持続させる“くすぐり”を研究する機関です。好奇心や興味を“くすぐる”ものは何でしょうか?ある子は「競争心」、ある子は「美しさ」かもしれません。子どもたちによって“くすぐり”のポイントは違います。ナナカラ研究所では一人一人の“くすぐり”ポイントを観察、分析、検証していきます。“くすぐり”ポイントを本人と周囲が理解し、活用していくことで学校の勉強や学びを子どもたちが自ら積極的に取り組むようになることを目指しています。

詳細は今固めているところですので、楽しみにしていてください!